リハビリ事例⑱:しっかり地面を踏ん張る感覚
実際に起こった事例について紹介
今回は、週に1回の訪問のリハビリを受けている高齢の女性です。以前は腰痛に悩まれていましたが、最近は腰痛も軽減してきて気分も明るくなってきている様子です。
腰の痛みが少なくなってきて気分がいいの。
それはよかったです。何か生活に変化はありましたか?
最近散歩によく行くようになったんだけど、姿勢が悪いのかふらふらするのよ。
散歩はいいことですね。普段の姿勢はそこまで悪く見えないですけどね。
こんな感じで背筋を伸ばして歩いているんだけどふらつくのはなんでだろうか。
姿勢はあまり意識せずに足の裏でしっかり地面を踏みしめることができているかだけ感じてみてください。
背筋は無理に伸ばさなくていいのね。こうかしら?
そうすると、さっきよりも歩く時は安定していますね。
歩く時によく何かを意識する人は多いです。
・大きく足を出して
・こけないようにつま先を挙げて
・手を大きく振って
・いい姿勢で
などなど色々ありますが、実は歩くという動作は本来なにも考えずに行う動作です。考えすぎて頭が混乱している人は少なからずいます。なので普段はいろいろと考えすぎずにこけなかったらいいや位で移動するほうがよい方もいるかもしれません。
【利用者様からの質問】歩くときは、何を意識したらいいの?
変形性膝関節症のAさん、3か月前に左膝を手術し、翌年に右膝の手術をする予定。
良くなりたいとの意識も高く、日頃から運動や散歩をよくされている。
歩くときは何を意識して歩けばいんですか?
歩いている時の何が気になりますか?
左の膝は手術してまっすぐになったんだけど、右膝が開いてしまうのよね!
右膝が開かないように意識してあるけばいいのかしら?
歩いている時に、右膝を開かないように意識しちゃうと、内ももに力が入ってしまって、歩きにぎこちなさが出てきますよ。
?
じゃあ、歩く時は何に意識すればいいんですか?
歩く時は、変に意識しすぎない方がいいですよ。
??
Aさんの場合、右の膝が開いてしまうのは、外ももの筋肉が硬くて、膝を開くように引っ張ってしまってるからなんですよね。
引っ張られたままで、膝を内側にしようとすると、内ももの筋肉が働きます。歩く時に、膝を開かないように意識してしまうと、この内ももにずっと力を入れてしまうわけですよ。
本来、歩く時には、そんな力は必要ないので、長く続けていると結果的に、歩き方がおかしくなってきます。
なので、Aさんがやるべきことは、歩いている時に何かを意識するのではなく、歩く前に外ももを解したりストレッチすることですね。
リハビリ事例⑰:良くなった理由はリハビリではない?
実際に起こった事例について紹介
今回は、週に1回の訪問のリハビリが開始してから長年の腰痛とすり足が徐々に改善してきている女性のお話です。
最近腰の痛みが楽になってきて痛み止めも飲んでいないの。
おー!それは素晴らしいですね。
なんだか痛みが少なくなると気持ちも前向きになって、この前散歩にも行けたわ。
痛みがあるとどうしても。暗い気持ちになりますもんね。
それとすり足だったのが最近よく足が上がるのよ。全部リハビリのおかげね!
リハビリのおかげではないですよ。
いや、そんなことないわよ。リハビリを始めてから痛みが減ったんだもの。
リハビリはあくまできっかけで、リハビリ以外の普段の生活の動き方や、自主練習を行ったからよくなってきているんですよ。
実際にこの方はリハビリを受けるまでは痛みが強く、気持ちも落ち込みやすくなっていました。週に1回の訪問の度に少しずつ生活の中の動きや自主トレーニングを変更していき、それが定着するころにはぐっと痛みが減っていました。
決して直接的にリハビリの効果だけで痛みが楽になったのではなく、生活習慣や運動不足の改善、痛みの捉え方が少し変わったのが結果につながったと考えています。