高齢者に多い4大骨折とは?それぞれの概要について
高齢者に多い4大骨折とは?
今回は高齢者に多い4つの骨折について紹介します。
①脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折とは、背骨の前の部分が圧迫されてつぶれてしまう骨折の形です。尻もちや転落、などで背骨に急激な曲がる方向のストレスがかかることで骨折してしまいます。高齢者になると骨粗しょう症が原因で、些細なことで骨折してしまったり、自分でも気づかないうちに骨が折れていたなんてことも起こりえます。
以前書いた高齢者の姿勢の特徴である円背との関係もあり、加齢とともに起こってくる骨折といってもいいでしょう。
多くの方は、コルセットを装着し体幹(腹筋・背筋)を鍛えることでそれ以上骨折がひどくならないようにリハビリを行います。
②大腿骨頸部骨折
大腿骨頸部骨折は、大腿骨のくびれた部分に骨折が起きることです。多くは、高齢者の転倒によって起こります。そしてこの股関節のくびれ(頸部)が完全に骨折してしまうと、中の血管体重を受ける頭(骨頭)の部分に栄養がいかなくなる為に壊死してしまいます。なので、大腿骨頸部骨折の場合は人工骨頭置換術という頭の部分を人工物に置き換える手術が行われることがあります。
人工骨頭置換術を行うと、手術の方法や方向によって脱臼してしまうポジションがあります。
後方アプローチの場合は以下に注意です
・股関節を深く曲げる
・股関節が内側に極端に入る
・上二つの複合動作など
例:和式トイレにしゃがむ・横座り・膝をついてベッドの上に上がる・割り座など
前方アプローチの場合は以下に注意です
・股関節を深く曲げる
・股関節を後ろに大きく伸ばす
・ボーリングの後ろ側の足
例:和式トイレにしゃがむ・足が後ろに反って内側に入る・うつ伏せから起き上がるなど
③上腕骨近位部骨折
上腕骨近位部骨折は、比較的肩の近くを骨折します。転倒によって手をついたときに生じるケースが多いです。しかし、たまに直接肩をぶつけて骨折するケースもあります。骨折の仕方によって手術や整復が必要になります。また、関節が固まる(拘縮)リスクが高いため、早期から関節可動域練習を行うことが重要です。
④橈骨遠位端骨折
橈骨遠位端は転倒して手をついたときに親指の付け根の部分を骨折します。場合によっては正中神経と呼ばれる神経を損傷したり圧迫することで、しびれが出る場合もあります。
どれも転倒から生じることが多く、高齢者のバランスや歩行練習が重要ですね!