快適に使用するための車椅子部品の名称と基本的な使い方を紹介
快適空間スクリオより引用:scrio.co.jp
車椅子部品の名称と役割
①手押しハンドル ②グリップ ③介助用ブレーキ
主に介助する人が車椅子を操作するときに使います。このハンドル(グリップ)を使って前後左右への方向転換やその場での回転などを行います。ブレーキを使用するタイミングに関しては、坂道を下る時が最も多いと思います。緩やかな坂であれば、前向きにブレーキをかけながら降りても構いません。急な坂道では、前向きに降りて急にブレーキをかけると転落などの事故につながる為、介助者・車椅子は後ろ向きになり、ブレーキをかけながらゆっくり降りましょう。
④バックサポート(背もたれ)
バックサポート(背もたれ)は車椅子に乗ったときの文字通り背もたれです。実はこの背もたれは後ろで背中にフィットするように緩めれる(カーブを作れる)車椅子が多いです。特に円背などで背中が丸まって、車椅子との適合が悪い場合(多くは顔や頭が上がらない)、背もたれを緩めて安定感を出すことも可能です。
⑤ブレーキ
ブレーキの役割は説明不要だと思います。車椅子からベッドやトイレなどに移る際にこのブレーキをかけ忘れて、転倒・転落に繋がるケースが非常に多いです。病院などで、動作はできているのにブレーキを忘れてしまう為に動作を自由にさせてもらえない入院患者様はたくさんいます。介助者の中にもブレーキをかけないままに移乗を行う場面もよく見かけます。特にベッドやトイレから車椅子に移るときにブレーキをかけ忘れていると、転落・転倒リスクが跳ね上がりますので必ずブレーキ確認をしましょう。
⑤ティッピングレバー
ティッピングレバーは、介助者の足元に位置しています。車椅子の前輪を浮かす場面で使用します。介助者が大股で歩いているとたまにこの部分を間違えて蹴ってしまい、足を怪我する事もあるため注意しましょう。
実際の例としては、
・段差を上がる時
・溝の鉄板をまたぐ時
・足場が悪い時
・その場での方向転換時
⑦ハンドリム ⑧駆動輪(後輪)
たまに間違えて車椅子を操作するときに、タイヤを掴んでいる方がいますが、正しい操作方法はハンドリムで駆動することです。ハンドリムはタイヤの外側についています。タイヤよりも少し円の大きさが小さいことが特徴です。
⑨キャスター(前輪)
前輪は、車椅子の方向を変えるときによく動いています。溝にはまり込んだり、段差を上がるときに最初に当たってしまう部分です。
⑩アームサポート ⑪サイドガード
これらは、肘置きに使うことが多いです。また、足の筋力が弱った方がこの部分を押し付けて立ち上がりする場面をよく見かけます。そのような立ち方をされる場合にブレーキがかかっていないと車椅子が後ろに動いてしまい非常に危険です。サイドガードは、横方向への転落の防止や衣服が横からはみ出してタイヤに絡むのを防止してくれています。
⑫座面(シート)
座面は、お尻を支える部分です。車椅子で長時間座っていると、お尻が痛くなったり、仙骨座りになって仙骨に褥瘡ができてしまうケースも多く見られます。そのような場面では、クッションを入れたり、車椅子の座面の角度を変えられるものもあるため圧が一定の箇所にかからないような工夫が必要となってきます。
⑬レッグサポート
レッグサポートは足がフットレストからずり落ちて足を怪我しないように設置されています。自分で足の位置を変えたりフットレストに乗せたまま保持できる方には必要性は低いです。頭の角度を倒すことができる車椅子では、レッグサポートで両足を挙上させる機能が非常に役立ちます。
⑭フットサポート
フットサポートは両足を置く場所です。たまに見かける危険な場面は、車椅子から移動・移乗するときにこのフットレストを上げないまま動作を行い、足をフットレストに引っ掛けて転倒する・皮膚を傷つけるなどの事故が起こります。ドラマや映画でも、フットレストが下がったまま移動・移乗する場面がありますが、間違っていますので注意しましょう。また、このフットサポートが高すぎる(座面が低すぎる)と仙骨座りの原因にもなるため、その人に合った高さに設定する事も非常に重要です。
最低限の点検
車椅子を使用する前に最低限の点検をして防げる事故を未然に防ぎましょう。
・まっすぐ走るか
・ネジの緩みがないか
・変な音がしていないか
・ブレーキは正常にかかるか
・タイヤの空気は抜けていないか
・フットレストはスムーズに上下するか(落ちてこないか)
最低でもこれらのチェックを行いましょう。