多系統萎縮症という病気について~概要編~
多系統萎縮症の概要
多系統萎縮症(MSA)は、
・オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)
・Shy-Drager症候群(SDS)
の3つの疾患がよく共存することから1969年に提唱された名称です。多系統萎縮症は進行性の神経変性疾患です。
※神経変性疾患(ある特定の神経細胞が脱落して頭・体が動かしにくくなる)
平均の発症年齢は55~60歳に多いとされています。
多系統萎縮症の特徴的な症状
パーキンソニズム・小脳失調・自律神経不全・錐体路徴候という症状が経過と共に出現します(個人差あり)。日本では小脳失調の症状が主に強く出ている方が多いと言われています。
パーキンソニズムとは
パーキンソン病の原因とは違うのにも関わらず、パーキンソン病のような症状が出る病気や状態・症状のことをパーキンソニズム(パーキンソン症候群)と呼びます。薬の副作用や脳が正常圧水頭症、神経変性疾患が原因となることがあります。
主な症状としては、
①力が抜けている時に手が震える(安静時振戦)
②筋肉が固くなる(筋強剛)
③動作がゆっくりになる(動作緩慢)
④バランスが悪くなり転びやすくなる(姿勢反射障害)
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小脳失調とは
小脳は筋肉や動作を協調的に動かす重要な働きがあります。失調とは、ある機能が調節を失うことで、小脳の機能が失われたことによって筋肉や動作を調節できなくなってしまう状態を小脳性運動失調と言います。
主な症状としては、
・身体を自分の思った通りに動かせない
・ろれつが回らない
・めまいや吐き気
・字をうまく書けない
・力の調節がうまくできない
などの症状がでます。
自律神経不全とは
自律神経は、内臓や代謝や体温調節を行っているとても重要な神経です。その調節ができなくなってしまい、精神や身体への負担がかかります。
症状としては、
・起立性低血圧(立ち眩み)
・排尿障害
・体温調節が困難になる
・便秘や逆に下痢
などがあります。
錐体路徴候とは
錐体路は、脳から筋肉までにつながる神経と筋肉の経路のことで、この経路のどこかに問題が起こると錐体路徴候と呼ばれる痙性麻痺や腱反射の亢進といった異常な症状が出てきます。
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