認知症の方とのコミュニケーションで重要なのは否定しない事!
認知症の方とのコミュニケーション
前回は、認知症の種類について紹介しました。認知症といっても大きく分けて4つの種類に分けられて原因も出てくる症状も違ってくるという内容でした。今回は、とっても大事な認知症の方とのコミュにケーションについて紹介していきます。
認知症の方が寡黙な理由
認知症の方は、一部(前頭側頭型)を除いて寡黙な(発話量が少ない)人が多いとされています。特に軽症の方であれば会話は成立する事が多いです。原因はなぜだと思いますか?
原因の一つとして、羞恥心や不安があげられます。認知症のコミュニケーションの中の一つとして同じ会話を繰り返すという場面を良く見かけます。そして、それに対してスタッフや家族がといった反応をしている場面も良く見かけます。徐々に寡黙になって行った方はもしかしたらこういった羞恥心や否定される不安感から寡黙になり、受け身の会話しかできなくなっているのではないかと言われています。
認知症の方は、常に不安感が有ります。さらに進行すると、自分の置かれている場所や季節、自分に関わる人を認知する事も難しくなってしまいます。
同じ会話をするのも、同じ物を探すのも、不安を解消したいからなのかも知れません。その様な時に『何回も聞いた』『もう聞きたくない』『同じ事ばっかり』といわれてしまうと、羞恥心と不安は増強されてしまい不穏になってしまうという場面にもよく遭遇します。
重要な事は、頭ごなしに否定せずゆっくりと聞く。不安を解消してあげるということを念頭に置き対応することです。そうすることで不穏や症状の悪化が防がれるケースもあるかと思います。
コミュニケーションのコツ
上では、否定しない重要性について紹介しました。その他のコミュニケーションのコツとしては、
・複数人よりも一対一での会話
・会話はゆっくりと
・できるだけ端的に
・時間のゆとりを持つ
・適度に現実の場面に引き戻す
という点が重要です。
認知症の症状としては、物忘れだけでなく集中(注意)を分散させたり、持続させることも難しくなります。複数人の会話や早い会話には、ながれについて行く事が出来なくなります。また、長い会話や指示については集中(注意)の持続が困難で頭に入らないという特徴もあります。
介助・介護者・家族にかかるストレスも大きくなり、なかなかゆっくりと会話が出来なくなってしまう為、デイサービスなどの社会的なサービスを利用して心のゆとりを持つことも非常に重要です。