大腿骨頸部骨折の手術後リハビリ:人工骨頭置換術や人工股関節全置換術と脱臼について
大腿骨頸部骨折とは
大腿骨頸部骨折の概要については以下の記事で紹介したので良ければまたご覧ください。↓↓
ここでは、手術後によく注意される脱臼について紹介します。
脱臼については上の記事でも触れましたが、
人工骨頭置換術や人工股関節全置換術を行うと、手術の方法や方向によって脱臼してしまうポジションがあります。
後方アプローチの場合は以下に注意です
・股関節を深く曲げる
・股関節が内側に極端に入る
・上二つの複合動作など
例:和式トイレにしゃがむ・横座り・膝をついてベッドの上に上がる・割り座など
前方アプローチの場合は以下に注意です
・股関節を深く曲げる
・股関節を後ろに大きく伸ばす
・ボーリングの後ろ側の足
例:和式トイレにしゃがむ・足が後ろに反って内側に入る・うつ伏せから起き上がるなど
人工骨頭置換術は意外と脱臼しない!?
人工骨頭置換術では、通常3か月を過ぎると脱臼する確率が急激に下がることが知られています。しかし、人工股関節全置換術では、2~9%の脱臼率があるとの報告があり、注意が必要です。
最近では、手術技術の向上や使用する物品の質の向上によってより脱臼率が下がっていますし、制限される運動も減ってきている印象です。とはいえ、トンビ座りや横座りなどは、関節かかる負担が大きいため避けていたほうが無難ではあると思います。
手術後のリハビリの流れ
大まかな流れと例を紹介します。
・術後の翌日から座る、車いすに乗る練習を行う
・3日後には医師や理学療法士の指示に従い立つ・歩く練習を行う
・1週間後には、杖や歩行器で歩く練習を行う
・2~4週間後には、階段昇降や屋外歩行練習
・症状や日常生活の状況をみて回復期病院に転院または退院
※レントゲンを撮り、骨折の部分がずれていたり骨が一部欠けたりしていないか確認しながら行います。
※骨折部分の安定性が悪い場合や骨粗しょう症がある場合は、体重をかけない期間を作る場合があります。
※手術前の歩行やバランス能力・認知症の有無によって手術後の歩行能力は左右されます。
不安なことがあれば、担当の医師・リハビリ職種に相談してみてください。
訪問看護ステーション太鼓判では、高齢の大腿骨近位部骨折の方も対応しています!