知らず知らずのうちに運動器不安定症・ロコモティブシンドロームになっているかも知れません
運動器不安定症とは
運動器不安定症とは、高齢化によって運動器(骨や筋肉など)に疾患があり、バランス能力や歩くスピードが遅くなったりする状態のことです。転倒のリスクが高く、閉じこもりの原因となっていることもあります。
11のいずれかの状態や疾患や状態になっていることが診断の状態です。
高齢化にともなって運動機能低下をきたす11の運動器疾患または状態:
- ①脊椎圧迫骨折および各種脊柱変型(亀背、高度腰椎後弯・側弯など)
- ②下肢の骨折(大腿骨頸部骨折など)
- ③骨粗しょう症
- ④変形性関節症(股関節、膝関節など)
- ⑤腰部脊柱管狭窄症
- ⑥脊髄障がい(頸部脊髄症、 脊髄損傷など)
- ⑦神経・筋疾患
- ⑧関節リウマチおよび各種関節炎
- ⑨下肢切断後
- ⑩長期臥床後の運動器廃用
- ⑪高頻度転倒者
- 日本整形外科学会より引用:https://www.joa.or.jp/public/locomo/mads.html
これらの疾患・状態に加えて、
①障がい高齢者の日常生活自立度がJまたはAの方
・外出を一人でされる日常生活が自立されている人
・介助によって外出している、外出の頻度が少なく日中も寝たり起きたりの生活をしている人
②以下のいずれかに該当
・片足立ちが15秒間保てない
・TUGテストが11秒以上かかる
※TUGとは椅子から3mの位置の目標点まで立ち上がり歩いて回って帰ってきて座るまでのタイムです。
まとめると、11のいずれかの疾患・状態になっており、障がい高齢者の日常生活自立度がJまたはAの状態。その状態の人が片足立ちが15秒間保てないもしくはTUGテストが11秒以上かかると運動器不安定症と診断されます。
おすすめのトレーニング
適切で安全なトレーニングが有効です。上の画像はロコモティブシンドロームの予防体操ですが、ふらつきがある場合はしっかりと机や支持できるものを持って安全におこなう必要があります。
一般的には膝を伸ばすトレーニングやスクワットなどのトレーニングが推奨されています。しかし、片足立ちができない・TUGに時間がかかっている原因はさまざまです。可能であれば専門のリハビリスタッフの指導を受けてバランス能力や移動能力を維持・向上させて運動器不安定症・ロコモティブシンドロームの予防・改善が出来れば一番良いでしょう!