片麻痺の人の床からの立ち上がり方法:見落としがちな介助方法や基本的な考え方
床から立つのが難しい
床から立ち上がる動作は、とても難しいです。床から立つ動作は、大きな質量(重心)を真上に持ち上げる相当難易度の高い動作です。高齢になると筋力やバランス能力が低下してしまいますが、脳血管疾患の方で片麻痺になってしまった方は余計に難しくなってしまいます。
今回は、片麻痺の方が床から立ち上がる方法について紹介したいと思います。
床から立つのに関係する能力
・腹筋の力
・両足の筋力
・バランス能力
・年齢
・認知症の有無
この四つが重要です。このうち麻痺の程度以外の3つは退院後でも十分に改善できるポイントなので床からの立ち上がり動作の改善も可能になるケースもいると思います。
床からの立ち上がりは、靴を履く場面や畳上の生活では、非常に重要です。
片麻痺の方の床からの立ち上がり
まずは床への座り込みを見てみましょう。
①初めに安定して立ってください。(イラスト左)
②少し両足を開いてより姿勢を安定させます(イラスト中)
③ゆっくり非麻痺側の膝を曲げていき、床にタッチします。(イラスト右)
次のイラストに移りましょう。
④手の次にゆっくりと非麻痺側の膝をついていきます。
⑤非麻痺側にお尻を降ろして床への座り込みは完成です。
床からの立ち上がりはこの順番を反対にすればOKです。つまり、
①長座位から非麻痺側の膝を曲げる
②床に手をついて、膝をつく
③非麻痺側の手と足でお尻を持ち上げる
④開いている足を閉じる。
難易度を下げるには、直接床に手を付けるのではなくて、椅子を前に置いて手のつく高さをすこし上げるだけでも簡単になります。
介助方法と基本的な考え
床から立ち上げる床に座る際に介助をしたいけどわからないという人もいるかと思います。介助の方法はその被介助者の能力や介助者の体格や筋力によっても変わるので一概には言えませんが今回の立ち上がり方の注意点に
ついて軽く触れます。
難しいポイントは、曲げていた膝を伸ばして足を地面につける瞬間です。
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こうなる瞬間です。
この時期をなんとか介助で安全にできないかを考えます。方法としては、
介助者にできる事は、お尻、骨盤を支えるくらいですが、可能であれば、少しお尻を後ろと上の方向に引き上げることで楽に膝が伸びていきますが、急に引いてしまうと逆にバランスを崩してしまうなどの危険も伴います。
介助を行うのであれば、前に台や椅子を用意して、膝立ちを経由する方が安全かもしれません。
困難な場合はリハビリスタッフに相談してみてください!それぞれの体格にあわせた方法をアドバイスできますし、より具体的な提案ができると思います。
どうしても困難な場合は、洋式生活に変更も検討しましょう
それでも難しい場合は、椅子・ベッドの生活も検討しましょう。今までいやだと思っていたが、使ってみると意外に快適という方も何人もおられました。