みき訪問看護ステーション太鼓判ブログ

このブログは、あくまで一般的なリハビリテーションの方法や情報、体験談と解釈していただき、必ず主治医やご担当の療法士にご相談の上で実施するようにしてください。

【家族様からの質問】ずっとウトウトしてるんですけど、自律神経が乱れてるの?

 

【家族様からの質問】

f:id:mik-taikoban:20200731115230p:plain

最近、主人が朝から晩までウトウトしてて、ベッドから動こうとしないのよ…家で寝てた方が楽だって言って、デイサービスにも行かないのよ。この前、テレビで自律神経が乱れると眠気が続くとか意欲がわかないとか言ってたけど、この人も自律神経が乱れてるのかしら?どうしたら自律神経は治るの?

自律神経の乱れが原因かは、病院で診てもらったほうがいいですよ。ちなみに、自律神経が乱れてくるのは、生活が不規則になってたり、ストレスを受け続けていたりするのが原因って言われています。ご主人の症状が自律神経の乱れが原因かはわかりませんが、生活の不規則やストレスを受け続けるのを改善することは、健康的に生活する上で大切なことなので、日常生活を見直してみるのもいいですね。

 


自律神経って何?

自律神経は一言でいうと、内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。

 

感覚・運動神経と違って、私たちの意思とは関係なく独立して働いているので、内臓や血管を私たちの意思で自由に動かす事は出来ません。
反対に、意識しなくても呼吸をしたり、食べたものを消化するため胃を動かしたり、体温を維持するため汗をかいたりするのは、自律神経があるからです。

 

自律神経には、起きている時や緊張している時に活発になる交感神経と、寝ている時やリラックスしている時に活発になる副交感神経とがあります。

この2つのバランスが崩れた状態を「自律神経失調症」と言われたり「自律神経が乱れている」と言われます。

 

交感神経

私のイメージでは、原始人が狩りをしている真っ最中のようなイメージです。

f:id:mik-taikoban:20200706112415j:plain

どうやって獲物を捕らえよう、周りに凶暴な獣はいないかなど、目の瞳孔は開いてより多くの視覚情報が脳に入るようになります。また、目がよく見えるように涙の分泌が減ります。より多くの空気(酸素)が吸えるようになるため、気管支を取り巻く筋肉がゆるみ、その内径が広がります。そして、活発な活動に則して全身に血液を送るため、心臓がドキドキとより一層働きます。血圧も上がります。

このように交感神経は頭と体を興奮状態に置き、とっさの対応が必要なときにも備える体制を作ります。

また、活動中に排尿や排便があってはならないので、膀胱の筋肉はゆるみ尿の貯留量が増えたり、肛門括約筋が締まって脱糞が起こらないようにしています。

 

 

副交感神経

副交感神経は交感神経と正反対の働きをしています。

私のイメージでは、自宅でのんびりダラ~ンとくつろいでいるイメージです。

f:id:mik-taikoban:20200706112608j:plain

夜寝るときは光りが入らない方がよく眠れるので、瞳が狭まり、寝ている間に目が乾いてしまわないよう涙の分泌が増します。寝ている間は特にたくさんの空気(酸素)は必要がないので、気管支平滑筋が締まり気管支内径が狭まります。休んでいるときは血液の循環量は少なくてすむので、心臓の働きはゆっくりとなり、脈拍数が減ります。血圧も下がります。この休息時間に、胃腸は活発になり、食べ物を効率よく消化、吸収します。また、膀胱の筋肉が活発に働き、肛門筋の弛緩によって、排尿や排便を促します。

 

このように、食事や食べた物の消化、栄養の吸収、排泄、睡眠など、体のメンテナンスに必要な生命を維持することをつかさどっているのが副交感神経です。

 

 

バランスが大事

交感神経と副交感神経は、それぞれがバラバラに働いているわけではなく、綱引きをするように作用しています。そして、綱引きのバランスが取れたところが、現時点で必要な機能というわけです。

f:id:mik-taikoban:20200706112829j:plain

どちらか一方が過剰に刺激され続けてしまい、修正が効かなくなった状態が自律神経が乱れた状態です。例えば、休んだり寝るときに、ドキドキしたり寝汗をかいたりする等です。

人の体は良くできていて、自律神経のバランスはよほどのことがないと大きく崩れることがなく、うまく保たれています。

しかし、ひどいストレスがかかる、ストレスを受け続ける、生活が不規則になるなど心身に大きな負担がかかると、体の調整能力を超え、バランスが崩れます。

 

自律神経が乱れると現れる症状

自律神経が乱れると以下の症状が現れます。

疲労、倦怠感、肩こり、頭痛、動悸、めまい、不眠、便秘、 下痢、耳鳴り、手足のしびれ など

上記のような肉体的な症状以外にも、気分の落ち込みや無気力、不安感、急に怒りっぽくなるなど精神的な不安定さも覚えるようになります。

こういった症状は、決して自律神経の乱れだけに限った病状ではないため、ほかの病気が病因である可能性も考えられますので、まずは病院を受診して原因を調べてもらうことが大切です。

 

自律神経を整えるには

現代人は、心身ともにストレスを受けることが多く、生活も不規則な方が多いため、交感神経優位になっている人が多く、副交感神経を刺激する取り組みをおすすめします。

 

規則正しい生活を心がける

 就寝時間が不規則だったり夜更かしが多いと副交感神経がうまく働かなくなります。

また、食事もできるだけ決まった時間にとることが大切です。暴飲暴食(特に夜ご飯が多いこと)も交感神経優位になりやすいです。

 

リラックスできる時間を作る

趣味に打ち込んだりゆっくりと入浴時間をとるのも副交感神経を刺激します。

 

適度な運動

ウォーキングや軽い運動は交感神経と副交感神経を適度に刺激します。(急激な運動は自律神経のバランスを崩してしまう危険性があります。)

 

笑う、泣く

笑ったとき、泣いたときは、副交感神経の働きが活発になります。副交感神経の働きが活発になることで、睡眠と同じようなリラックス効果がもたらされます。笑いは作り笑いでもいいそうで、涙は感動した時に流す涙が最もストレス解消効果が高いそうです。日常生活の中で、笑ったり泣いたりする機会があまりないという方は、お笑い番組や感動的な映画、小説を観て、笑う習慣、泣く習慣を作ることをおすすめします。

 

 

まとめ

現代人は、ストレスや生活の乱れから交感神経優位(緊張状態)になっている人が多くいるので、副交感神経を刺激する取り組みが必要なことが多いです。

ただ、副交感神経に傾きすぎることも自律神経を乱すこととなります。

緊張とリラックスのバランスや生活の乱れを意識して生活し、喜怒哀楽のある生活を過ごすことが大切だと感じます。


訪問看護・リハビリのご依頼やご相談は
みき訪問看護ステーション太鼓判まで
お電話ください

0794-60-5073
(スマホで番号をクリックすると
電話がかかります)